平成20年 9月議会 一般質問 原稿


おはようございます。質問の機会を得ましたので、自由民主党金沢市議員会の一員として以下数点お尋ねいたします。
まず、市長におかれましては、今議会にご壮健なお姿を見せられたことは、まことに喜ばしい限りであります。今後一層ご自愛くださいまして、市政の運営に当たられますことを切に望むものであります。
質問の第1点目は少年犯罪についてであります。
夏休みも終わり、子ども達がまた元気に学校に通い始めました。この夏休みを振り返りますと、7月28日の豪雨災害が一番の関心事となったことは誰もが認めることと思います。その他に、夏休みも終わりを迎える、去る8月28日に、本市の15歳の男子中学生によって殺人事件が引き起こされました。私は全国版のニュースでこの事を知ったとき、まさか金沢市で起きたことだったとは、と大変驚きました。人を殺めることで問題の解決を図ろうとする短絡的な犯行であり、本市のみならず社会に与えた影響は大きいものがあります。
この生徒はマスコミ報道によりますと、学校を休みがちな、いわゆる不登校児童であったとのことであります。だからといって、このような重大事件を引き起こすと予見することは難しかったかと思いますし、学校教育からのアプローチだけでは限界もあろうかと思いますが、今後同様の事件が起こらないためにも、新たに配置されるスクールソーシャルワーカーの活用や命の教育の推進、教育プラザ富樫の利用も含めて、再発防止策が必要かと思います。また、この事件を知った子ども達への影響およびそのケアについてはどのようにお考えかも合わせてお聞かせ下さい。
質問の第2点目は平和教育についてであります。
夏休みには8月6日や9日の原爆の日、あるいは15日の終戦の日と我々日本人にとって忘れてはならない日があります。これまでの夏休みでは、このような節目となる日を登校日としてきた学校が多くありました。これらの日を登校日とすることで、「忘れてはならない日」という意識付けを図るねらいがあったことと思います。
しかし最近では、サマースクールが充実し、児童生徒の参加率もますます増加していく中で、必ずしもこれらの日が登校日でない学校が多い状況にあります。本年は、6日を登校日とした学校と、9日が土曜日だったため8日を登校日とした学校とが、小学校では59校中18校、中学校では24校中12校であり、半分以下の状況にありました。
登校日は学校長の判断で決定されるものでありまして、その設定は学校内の事情や地域事情なども勘案して決められていることと思いますので、学校側の都合を無視して、登校日を指定するようなこととならない配慮が必要かと思います。
そうはいいながらも、8月6日や9日、15日がどういう日であるかを教えていくことはとても重要だし、平和のありがたさや尊さを学ぶことが大切であることは誰もが理解するところだと思います。
ただ、平和教育と呼ばれるものの中には、残念なことですが、子ども達が日本の国を愛し、日本人としての誇りを持つことを否定するようなものも見受けられます。6年前には当時の夏休み帳に書かれていた「戦争に関する文章」の内容があまりにも偏っていると指摘をする質問も本議場でなされました。
そこで、現在学校で行われている平和教育について、社会科や総合学習など普段の授業で学ぶものや夏休み中に学ぶものも含めて、内容にどのように留意されているかお聞きかせください。
さて、高齢化の波が戦争体験者や戦没者遺族にも押し寄せています。あの時代を語る方々も減ってきていますし、時の流れを止めることもできません。そうはいいながらも、当時の体験を風化させずに次世代に語り継ぐことは大変重要であります。
そんな中、昨年の10月に金沢市遺族連合会から追憶集「あの日あの時」が発刊されました。会員の方々が亡くなった家族を思い起こしながら、また自らの苦しかった日々を思い起こしながら、戦没者への鎮魂と平和への願いを込めて作り上げられたものであります。この本には山出市長からのお祝いの言葉も載せられています。この中で市長は自らの当時の体験談とともに、「平和にまさる福祉はなく、戦争にまさる環境破壊もない。この追憶集が、時代の変化とともに風化しがちな戦争体験を、幾世代にもつないでいく貴重なものになると確信する。」と書かれておられます。
そこで教育長、この金沢市の遺族の方々が書かれた追憶集を小中学校の副読本として平和教育に役立てるお考えはないでしょうか。この本には戦争の悲惨さや平和の尊さだけでなく、生きていくことの大変さや家族への感謝などが読み取れますし、子ども達には自分の校下にお住まいの方の文章を読んでもらうことで、より一層理解が深まるかと思います。ご所見をお伺いいたします。
質問の第3点目は熱中症対策についてであります。
今の時期まで来ると、この夏が猛暑であった事を忘れてしまいそうですが、間違いなく今夏は猛暑でありました。先頃の新聞報道によりますと、7月中に熱中症で救急搬送された人は、全国で昨年に比べ3.5倍の12,747人に上り、石川県では昨年の17人から大幅に増え、実に8.6倍の146人が救急搬送されたそうです。年齢区分別ではやはり高齢者の割合が多いとのことですが、どの年齢層であっても起こりうる可能性があるということは言うまでもありません。
文部科学省では、教職員等が学校現場で適切な事故防止対策をとれるよう、熱中症予防のための啓発資料「熱中症を予防しよう」を平成15年に作成しています。また、今年の6月には、熱中症事故を防止するため、啓発資料「熱中症を予防しよう」と環境省で作成している「熱中症環境保健マニュアル」を参考にして、適切な対応をするようにと関係機関に依頼されています。
まずは今年の金沢市内の学校現場での児童生徒の熱中症発生件数はどのくらいあったのかお聞かせください。
啓発資料「熱中症を予防しよう」では気温・湿度などの環境条件に配慮した運動の実践、水分補給や休憩の取り方、児童生徒の健康観察など、事細かに予防法が書かれています。そして万が一発症した場合でも、迅速かつ適切な措置をとることによって回復できる疾病であるとして、その対応方法を症状別に細かく述べています。最終的には病院へと向かうことになるのですが、病院へ向かうまでの間、涼しい場所に衣服を緩めて寝かせるなどのできる対策を講じるようにと書かれています。
実際に学校現場で熱中症が発生した場合、発症した児童生徒を休ませる場所は保健室になるかと思います。昭和33年に制定された学校保健法の第19条では、「学校には、健康診断、健康相談、救急処置等を行うため、保健室を設けるものとする。」とも書かれています。しかしながら、連れていった先の保健室に空調設備がないため、必ずしも涼しい場所ではないことが見受けられます。
過去に本議場では教職員の職場環境改善のために、空調設備の設置についての質問がなされ、その後、平成15年度からの6カ年計画で職員室ならびに保健室への空調設備設置が進められてきたことと思います。当初計画通りであれば本年度ですべての小中学校に空調設備が整備されたはずですが、現在の整備状況は小学校で約60%、中学校で約54%であり、まだ4割以上の学校が未整備という状況です。当初計画からは大きくズレが生じているわけですが、この間の経過についてお聞かせ下さい。
さて、空調設備の設置が待たれる職員室と保健室ですが、学校内での役割は大きく異なっています。保健室は先ほどまでも述べてきたように、児童生徒の事故災害を防止し、学校の実態に即した救急体制の確立ために必要な場所であります。この保健室に空調設備がないという状況は児童生徒の安全管理面からも早急に改善すべきではないでしょうか。また熱中症は、小学校よりも部活動がある中学校の方が6倍〜8倍発症率が高いのですが、空調設備の設置率を見ると小学校に比べ、中学校の整備がより遅れています。中学校においてはせめて保健室だけでも早めの整備をと願うものであります。ご所見をお伺いいたします。
質問の第4点目は鳥インフルエンザ対策についてであります。
鳥インフルエンザとは、A型インフルエンザウイルスが鳥類に感染して起きる感染症であります。また、ニワトリなどの家禽類に感染すると非常に高い病原性をもたらすものを特に高病原性鳥インフルエンザと呼んでいます。
高病原性鳥インフルエンザは、東南アジアを中心に世界中で発生が報告されており、お隣の韓国では2006年に鳥インフルエンザが発生した際、対応が遅れ、被害の拡散を防げなかったと言われております。国内では、宮崎県や岡山県などで発生が見られ、事実を隠蔽した京都の例を除けば、迅速な対応から被害は小規模に止まっております。
本議場でも鳥インフルエンザへの対策を懸念する質問はいくつかなされており、過去の答弁では、仮に市内で発生した場合、庁内で連絡対策会議を開催し、対策本部を設け、感染の拡大防止、関係者の健康管理、市民への情報提供などに万全を期していきたいと述べられております。これらの質問から数年が経過しておりますが、昨年12月に作成された金沢市地域防災計画では、炭疽菌テロや食中毒については記述があるものの、鳥インフルエンザに関して触れられてはいませんでした。まずは鳥インフルエンザの防災計画についてどのようにお考えかお聞かせください。
さて、鳥インフルエンザのもう一つの脅威として、インフルエンザパンデミックがあります。これは本来鳥から鳥へと感染するウイルスが、ヒトからヒトへと感染する新型のウイルスに突然変異し、大流行するというものであります。過去のインフルエンザパンデミックには1918年に発生したスペインかぜがあり、人類が遭遇した最初のインフルエンザパンデミックとも言われています。感染者は6億人、死者は4000万人とも言われ、当時の世界の人口が8億〜12億人ですから、全人類の半分以上が感染したことになります。日本でも当時の人口5500万人に対し39万人が死亡したとのことであります。
スペインかぜの病原体は、1997年、アラスカの凍土から発掘された遺体の肺組織から採取した検体によってその正体がようやく明らかとなり、H1N1亜型のA型インフルエンザウイルスであることがわかりました。これにより、スペインかぜは、鳥インフルエンザウイルスに由来するものであった可能性が高いことが証明されました。
WHOでは、スペインかぜ大流行と同様の新型インフルエンザパンデミックが発生する可能性を指摘しており、これに対応するため、国と都道府県では2100万人分のタミフルの備蓄をしています。石川県も昨年度で目標量の9万8千人分のタミフルを確保したところであります。しかし、タミフルの備蓄量が目標量に達したからと言って安心とは言い切れません。先日の水害にも見られたように、いざ何かの災害が起こったときには、現場レベルでの対応は、基礎自治体といえる市が大きな役割を果たさなければならないことは明らかであります。そう考えますと、インフルエンザ・パンデミックの発生に対応する体制づくりを今のうちから考えておく必要があると考えます。新型インフルエンザへの対応は鳥インフルエンザのそれとは大きく異なるかと思いますが、防災計画への記載も含めてどのようにお考えかお聞かせください。
質問の第5点目は、土清水塩硝蔵についてであります。
昨年9月10日から10月5日かけて、崎浦地区の涌波地内で土清水塩硝蔵の発掘調査が行われ、その結果、土蔵の礎石や堀の痕跡が確認され、塩硝蔵の存在を明らかにする足がかりとなりました。このこともあって地元では独自に勉強会を何回も開くなど、塩硝蔵に対する思いが日ごと増している状況であります。
また、この7月には、五箇山の太美山地区で太美山自治振興会主催の「第一回塩硝の道フォーラム」が開催されました。このフォーラムには南砺市の清都副市長や地元の県会・市会議員も参加され、金沢からは崎浦地区や湯涌地区などから多くの方が参加し、熱烈な歓迎を受けました。参加された方々からは塩硝の道を通じた両地区の交流と発展に大きな期待を寄せていると感じられました。このことからも土清水塩硝蔵の調査結果や今後の整備方針は、金沢市内だけに留まらず、広く関心を持たれていると考えられます。
そこで、今年度の調査日程、調査規模はどのようなものかお聞かせください。また今後の塩硝蔵の整備についてどのようにお考えか、さらには塩硝蔵だけの「点」に終わらず、塩硝の道も含めた「線」の整備も必要かと考えますが、市長の思いをお聞かせください。
いよいよこの11月までには歴史まちづくり法が施行になります。本市ではこの法律を受け、歴史都市認定を目指しておりますが、歴史的風致維持向上計画における土清水塩硝蔵の位置づけがどのようなものか、また認定を受けた場合、塩硝蔵の調査や整備にはどのような影響があるのかも合わせてお聞きいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
