平成19年 12月議会 一般質問 原稿

おはようございます。質問の機会を得ましたので、自由民主党議員会の一員として以下数点お尋ねいたします。
第1点目は自殺防止の取り組みについてであります。平成10年よりこの国の自殺者は年間3万人を超え続けていることはみなさんご承知のことと思います。この10年間で実に30万人以上の方が自殺によって命を落としているということになり、30万人といえば本市の人口の3分の2に及ぶ数になります。また、自殺未遂者は自殺者の10倍以上はいるといわれており、そうであるならば毎年30万人以上が自殺を考えているということになります。我が国は先進国の中で自殺率がダントツ一位であり、自殺大国であるといっても過言ではありません。金沢市でも年間90人以上の方が自殺をしています。しかしながら、自殺は本人だけの問題と捉えられがちであり、一部には本人の自由ではないかといった声すら聞かれることがありますが、果たしてそうでしょうか。残された家族や周りの人に与える影響は計り知れず、社会全体にとっても大きな損失であります。また、ときには自殺の連鎖をも引き起こします。世界保健機構は「自殺は、その多くが防ぐことができる社会的な問題」と明言もしています。自殺にはそれぞれ原因があり、その因子を取り除くことが出来れば自殺せずに済む方もでてくるはずです。
これまでにも本議会では、学校でのいじめによる自殺や多重債務などの経済問題による自殺などが取り上げられてきました。自殺の原因としては他にも人間関係や健康問題、あるいはアルコール依存や薬物依存といったものまで実に多岐に渡ります。また、自殺者の年代によってもその原因が異なり、高齢者では病気や孤独、勤労者では過労やリストラ、児童・生徒ではいじめや不登校などが主たる原因として考えられています。本市では、自殺に関わる問題、例えばいじめ問題なら教育委員会、過労問題なら労働政策課などと、それぞれの問題に関して担当と思われる課で対応してきたと思います。そこで、現状において、各担当課ではどのような対応をとられているのか、まずお聞かせください。
自殺の背景を語る上で必ずとりあげられるものにうつ病があります。うつ病になった方が全て自殺をするという意味ではありませんが、自殺を図った人の直前の心の健康状態は、大多数がうつ病などの精神疾患に罹患しているといわれています。世界保健機構によれば、うつ病などの精神疾患は有効な治療法が確立されており、諸外国の例などから、早期発見、早期治療によって自殺予防に効果があると述べています。しかしながら、わが国ではうつ病などの精神疾患に対する偏見がまだまだあるように思います。そのため、病気を認めたがらなかったり、病気だと認めたとしても精神科への通院をためらったりと早期発見、早期治療につながらない風潮があるように思います。偏見を取り除いていくためには行政としても何らかの施策が必要かと思いますが、こういう偏見に対しての市長の思いも含めてご答弁頂きたいと思います。
国では平成18年10月に自殺対策基本法を成立させ、その指針として自殺防止大綱をまとめました。過去に国は交通安全対策基本法を成立させ、交通事故死者数の減少に努めてきました。その甲斐あって、現在では交通事故死者数がピーク時の半分以下の年間約7千人にまで減ってまいりました。そういう点では自殺者数の減少に向けた取り組みは、基本法が成立したこれからが本番ともいえます。自殺防止大綱においては都道府県及び政令指定都市において、自殺対策連絡協議会等の自殺対策検討の場を設けることや地域における自殺対策の計画づくりを推進するように求めています。大綱の中では中核市に対しては協議会等の設置は求めていませんが、本市以外の中核市において34市中、5市が独自に協議会や庁内会議を、2市が専門窓口を設けています。そこで本市においても自殺対策の専門的な窓口、あるいは専門会議等を設ける必要があるのではないかと考えるわけです。諸外国の例からも、自殺予防に即効性のある施策はないと言われており、その点からも早めの取り組みが必要であると考えられますが、このことについてもお聞かせいただきたいと思います。
第2点目は世界遺産登録に向けたまちづくりについてであります。
昨年、本市は世界遺産暫定リストへの記載を求めて、「城下町金沢の文化遺産群と文化的景観」と題して文化庁に提案し、現在は継続審議となっています。今後の暫定リスト記載のため、辰巳用水や野田山前田家墓所の国史跡指定を目指すなど、鋭意努力なさっているところだと思います。
そんな中、前回提案した資産リストに含まれている土清水塩硝蔵について、今年の9月10日から10月5日にかけて発掘調査が行われました。その結果、土蔵の礎石や堀の痕跡が確認され、塩硝蔵の存在を明らかにする足がかりとなりました。塩硝とは黒色火薬の原料となる硝酸カリウムのことであり、他に硫黄や木炭を調合することで黒色火薬が出来上がります。江戸時代、硫黄や木炭は比較的容易に手に入りましたが、硝酸カリウムは国内では天然に産出しなかったため、人工的に製造されていました。加賀藩では、塩硝を五箇山地方で製造させ、米のかわりに年貢として納めさせ、土清水塩硝蔵まで運ばせていました。そこでは辰巳用水の流れを利用して水車を動かし、塩硝、硫黄、木炭を粉末にして黒色火薬を製造していました。当時、加賀藩の黒色火薬は質・量ともに全国一と言われていました。しかしながら、塩硝蔵は幕府との関係上極秘機密とされ、残っている関係史料も少なく、その存在は謎に包まれてきました。そんな点からも、今回の調査結果は大変意義深く、今後、どれだけのことが分かってくるのか、興味深いことと私は思っております。そこでお伺いいたします。
来年度もこの塩硝蔵の発掘調査を継続すると伺いました。今年度、痕跡が確認されましたので、来年度はより大規模な調査が行われると期待していますが、調査の日程と調査規模はどの程度のものになるのでしょうか。また、将来的に土蔵や堀などを復元整備し、史跡指定するお考えはおありでしょうか。お聞かせください。
土清水塩硝蔵は、五箇山地方の塩硝製造の歴史とは切っても切れない関係にあることは言うまでもありません。10月末、「塩硝の道」ツアーが本市や南砺市の後援のもと開催されました。ツアーでは塩硝が運ばれた山道をトレッキングしたり、世界遺産の合掌造りを見たり、といった内容で、募集人数が大変多く、枠を増やしても抽選しなければならないほどに人気があったと聞きました。私も運良く抽選に当たり、ツアーに参加してまいりました。大変素晴らしい内容であり、ぜひ来年以降も開催されることを望むものであります。
「塩硝の道」は、道とはいっても、現在機能していない道やわずかに形態をとどめているような道も多いのが現状です。金沢市の史跡等が世界遺産に認定されたのちには、世界遺産同士を結ぶ道にもなることから、ある程度の保全や整備が必要なのではと考えますがいかがお考えでしょうか。お聞かせください。
第3点目は金沢市観光戦略プランについてであります。わが国では平成15年度からビジット・ジャパン・キャンペーンが展開され、1000万人の外国人観光客を国内に受け入れる目標が掲げられています。また来年秋をめどに観光行政を一元化した観光庁が発足する可能性もあり、今後観光産業がますます重要になってくると考えられます。本市では昨年3月に金沢市観光戦略プランが取りまとめられ、今後10年間の観光施策の方向性が示されることで、さまざまな取り組みが動き出していることと思います。そんな中、大変喜ばしいことですが、外国人観光客が年々増えていると聞きました。その増加分のほとんどはアジア、とりわけ台湾からの観光客が多いとお聞きました。観光戦略プランでは「外国人旅行者もてなし環境整備戦略」として六つの具体策が挙げられています。これらの具体策が達成されれば、外国人旅行者にとって、とても快適な旅行となるに違いないと思います。そこで、これらの具体策の導入状況や進行状況をまずはお聞かせください。
現在、金沢市を紹介するパンフレットが英語や韓国語など6種類用意され、駅やリファーレの中、観光交流課などで入手することができます。エリア別に見どころなどが紹介されているので大変見やすく、外国人旅行者には重宝がられているのではないかと思います。しかしながら、このパンフレットを見ながらやってきた観光施設には、外国語の説明や案内がない場合が見受けられます。せっかく来てもらったにもかかわらず、内容がよく分からないまま帰っていることも考えられます。そこで、来場者の多い施設や導入しやすい施設からでも、その施設内を説明したり、案内したりするパンフレットを作成してどうかと考えますが、この点に関してもお考えをお聞かせください。
さて外国人に限らず、この街を訪れた方には少しでも長く滞在してもらいたいと思うわけですが、それには金沢に宿泊したくなる夜の魅力づくりが必要不可欠だと考えております。観光戦略プランでも「夜の魅力提供戦略」が考えられており、大いに期待するところであります。それと同時に金沢の和風旅館も応援して頂きたいとおもいます。というのは、14年前には200軒あった和風旅館が、今では30軒になり、このままでは新幹線開業までもたないのではないかという心配もあるからです。もし具体的な戦略、お考えなどがありましたらお聞かせください。
観光戦略プランの中には戦略を進めていくうえで、それぞれの役割分担が明記されています。その中で市民の役割として、一人ひとりのもてなし力の向上がうたわれています。私はこのためには、9月議会で決議した都市宣言であるグッドマナーを実践すること、それと同様に市民一人ひとりが金沢をよく知ることが必要なのではないかと考えています。幸いにも金沢経済同友会の開催する金沢検定は市民から多くの話題を集めており、合格に向けて勉強することで金沢をよく知るきっかけにもなっています。そこで、せっかくこのような検定があるわけですから、市民の一人でもある市職員に受験を促してはいかがかと考えます。不合格だと恥ずかしいから受けてないといった声もときどき聞かれますが、合格することばかりが大切なのではなく、金沢をよく知ることに意義があるわけですから、ぜひご検討いただきたいと思います。
第4点目はふらっとバスについてであります。歩行者と公共交通を優先するまちづくりを進めている本市では、外環状道路の整備やパーク・アンド・ライドシステムの導入など、マイカー流入抑制策や金沢バストリガー方式による実証実験、公共交通利用促進月間のバスの運行実験など、さまざまな取り組みを行っていると高く評価するものであります。その中でもふらっとバスは、平成11年に全国初のコミュニティバスとして導入されて以来、市民に愛され続け、問い合わせや新規ルート導入への要望が後を絶たない状況かと思います。来年11月には4ルート目となる長町ルートが導入されることも決まりました。今後ますます引き合いがあるのではないかと思います。
しかしながら、ふらっとバスは運賃収入で、事業全体を賄うことができないと聞いております。今100円の運賃を180円くらいにしなければ、収支があわず、ふらっとバスの維持には税金があてられているという現実があります。また、2年前からは少しずつではありますが、乗客数も減ってきています。今後もこの人気のあるふらっとバスを継続し、発展させていくためには、収入面の議論も必要になってくるのではないかと考えるわけです。
そこで、提案ですが、ふらっとバスの車内に映像がみられるモニターを設置してはどうでしょうか。そうすることで、映像のCMを流して広告収入を得ることが可能になると考えられます。広告収入に関しては以前にも本議会で取り上げられ、市長からは「条例で屋外広告物を規制していること」などから、なりふり構わない広告導入には慎重な意見が出ていることは、私も承知しております。しかしながら、映像の広告であれば数秒間の放送ののち、別の映像に切り替わることから、扱いやすさも変わってくるのではないかと考えるわけです。難しい面もあるかと思いますが、ぜひ検討していただければと思います。
また、モニターを設置すれば広告収入だけでなく、イベントの告知や新しい施設の紹介など市の広報活動にも利用することができると考えられます。現在、市の広報は新聞やパンフレット、チラシなどの紙媒体、ケーブルテレビなどでの広報番組やCM、インターネットでの広報が行われていますが、それら以外の新しい媒体としての活用も考えられるわけです。その他にも観光案内や地元の情報などいろいろな用途が考えられます。
先行事例としては横浜市の市営バスである「あかいくつ」や富山市の美術館巡りのバスなど、わずかに導入しているところが見られますが、コミュニティバスへの導入は少なくとも中核市や政令市ではまだのようであります。乗客数減少への歯止め策としてもある程度効果があるのではないかと期待するわけですが、この提案に対し、市長はどのようにお考えか、そのことをお伺いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
